
悲しみのイレーヌ・その女アレックス・傷だらけのカミーユ
/ピエール・ルメートル著(橘明美訳)
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■悲しみのイレーヌ
■その女アレックス
■傷だらけのカミーユ /ピエール・ルメートル著(橘明美訳)
これまで縁のなかったフランスの作家さんによる犯罪小説で、パリ
警視庁のカミーユ・べルーヴェン警部が登場する三部作となって
います。
ベルーヴェン警部は145cmと小柄な身体的特徴を持ち、それは
愛煙家であった著名な画家の亡き母による影響だと思っている人物
です。気難しくて愛想よくもないのに、なぜだかどんどん愛着が増す
不思議な魅力をたたえる有能な仕事人なのです。
物語は総じて読み応えが抜群で、上質なミステリにほかなりません。
言語としてのニュアンスを重要視するあまり元来翻訳ものを敬遠
しがちな自分は、日本語訳の文章の素晴らしさにも終始感嘆する
ばかりでした。
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