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3月26日(日)

咲き誇るもの、散りゆくもの。春先の花模様。












正欲/朝井リョウ著

■正欲 /朝井リョウ著

はじめての作家さんです。昨年2022年2月に図書館に
申し込み、この3月に順番が回ってきました。
予約待ちに一年以上かかったのもはじめての経験です。

今の時代にふさわしい、「多様性」を主題に据えた物語。
登校拒否児童やその両親、男性に嫌悪感を抱く女子大学生、
更には世でいうマイノリティにすら入れてもらえない特殊
性癖に苦悩する若き男女たち。「普通」とは一体何なのか。
「(変形する)水にしか欲がわかない」とは少々理解が
及ばない範疇ではありましたが、登場人物の「なぜ当たり
前に自分がいつも理解する側・受け入れる側のつもりで
いるのか」という趣旨の叫びは心に響くものがありました。

印象的な表紙は、水鳥であるマガモの雄に見受けられます。
彼らも着水は足からしますから、これは墜落の場面なので
しょうか。それとも覚悟を決めた飛び込みなのでしょうか。
いずれにしても、下が水面だとすれば、まもなく派手な
水しぶきがあがることに間違いありません。


3月5日(日)

メジロ 画像
メジロ(目白)/スズメ目メジロ科メジロ属

近所の公園にて。
メジロのすばしっこさは、身の軽さを誇る数多の小鳥の中にあってもかなり上位ではないかと思うくらいです。
カメラに収めるには、仲間と連れ立って木から木へ移ってゆく合間のちょっとした一瞬を狙いしつこく追いかけ回します。
可憐なカワヅザクラ相手に張り切るメジロちゃんズは、かわいらしさと春の兆しをふりまく、冬に幕引きをしに現れた使者
のようでした。

メジロ 画像 メジロ 画像

カワヅザクラ 画像 メジロ 画像


メジロ 鳥


メジロ 写真


メジロ 3月


メジロ サクラ


メジロ 横浜


メジロ カワヅザクラ


カワヅザクラ画像


カワヅザクラ 月


カワヅザクラ


ヒヨドリ(鵯)/スズメ目ヒヨドリ科ヒヨドリ属


梅 白 画像





ごく最近読んだ本です。


罪の轍/奥田英朗著

■罪の轍 /奥田英朗著

オリンピックを翌年に控えた昭和38年の東京を舞台に繰り
広げられる警察小説です。
実際に起きた「吉展ちゃん誘拐殺人事件」を下敷きにした
事件が絡み、北海道は礼文島から逃げてきた空き巣常習犯
の青年への地道な捜査が丁寧に描かれます。松本清張作品
を思い出させる、現実味溢れる刑事たちの言動には臨場感
があり、自分も地取り・鑑取りに同行し、捜査会議に出席
しているような気分にもなりました。本庁と所轄の関わり、
警察幹部と現場で動く捜査員たち、それぞれの立場や思い
も実感として伝わってきました。まだ一般家庭に黒電話や
テレビが充分に普及していない時代の話です。刑事たちは
無線機も持てず、誘拐犯との通話の逆探知すら叶わず、
それでも「電話」という利器が登場したからこそ生まれた
新たな犯罪である営利誘拐に辛抱強く立ち向かいます。
大きな謎が存在するでもなく、意外性が待つでもないのに、
静かに先が気になり続ける、哀しい人間と罪との物語です。





若冲カレンダー2023。



3月は、「鳥禽図」。


あでやかなキジ科の錦鶏(きんけい)が、すらりと長く
伸びた尾を誇るかのように松の側に止まっています。


鳥という生き物は、見れば見るほどその色合いや
造形美に圧倒されます。
いつの日か現実でこちらのキンケイに出会う機会が
訪れることはあるのでしょうか。

雪中雄鶏図
鳥禽図/伊藤若冲


 



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