涼風工房

  • 完全手作業のハードカバー製本(上製本)のご案内です。
    書店に並ぶ機械製本のように完璧な出来とは言えないかと存じますが、手作りのあたたかさは加わります。
    ご家族やご親戚、ご友人やお知り合いに贈りたい配りたいオリジナルの詩集・歌集・自分史・エッセイ・小説作品など、丁寧に形にいたします。
    ご依頼は一冊から承ります。私家版/私家本の作成をお考えで、そんなにたくさんの冊数は必要ないからどうしようかと悩まれる場合にもぴったりでおすすめです。

    *こちらで紹介している本の依頼主は店主・滝本涼子(製本した人)の身内であるため、画像の表紙著者名部分もそのまま掲載いたしております

手作りハードカバー製本

手作りハードカバー製本
手作り上製本
手作り私家版

  • 装丁に用いる友禅和紙の絵柄は、ご相談に応じてご提案させていただけます
  • 本のサイズは縦18.8cm横13.5cmで、一ページがB6サイズとなります
  • 印刷にはごく一般的なインクジェットプリンタを用いており、本文は基本的にテキスト(文章)のみのご対応となります
  • 表紙や背表紙に直接文字を印刷することはできませんが、表紙にのみ、ご希望に応じてタイトル枠をお付けすることも可能です
  • ページ数は、100~200ページほどまでを目安とさせていただきます
  • 一冊価格の目安は8,000円~10,000円(税込)ほどを見ていただければ幸いです。これは、原稿作成・校正・印刷など全ての工程を含む製本価格となります
  • 製本作業には大変時間がかかります。制作期間は数量によっても大幅に変わって参りますが、10~30冊ほどでも通常数か月以上は見ていただければ幸いです
  • お問い合わせ・ご相談・制作ご依頼など、メール( info@ryoufuu.com )または お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください
製本 原稿

30冊の歌集制作ご依頼にあたり、まずは印刷原稿を作成します。 手元にいただいたデジタルデータに基づき、紙の資料も用意しつつワードを使い1ページずつ作ってゆきます。全部で120ページほど。目を皿にして注意深く確認を重ね、その後校正などの段階に進みます。

手作り製本 印刷

B6サイズの書籍用紙を用い、両面に印刷してゆきます。ごく一般的なインクジェットプリンタを使用しており、紙質やその他の事情から、基本的に一枚毎に手差しです。その都度インクをきちんと乾かす点も大事です。

手作り製本 クリップ

印刷した原稿をページ順に揃え、きっちり形を整えます。厚紙で挟み、大型クリップでしっかりと固定します。クリップの跡を原稿に付けないため・全体を保護するために、硬めの厚紙が必要です。

製本 背

背になる部分に、のこぎりで切り込みを入れてゆきます。大体5mm間隔、深さ2-3mmを目安にし、とにかく均等な溝を作ることを心がけます。用紙がばらけたりしないようにするために大切な工程となります。

製本 背 切り込み

全体に切り込みを入れると、このような感じになります。約40か所くらいに溝を設ける形です。

手作り製本 背部分

製本作業を幾度か重ねるうちに、「背」というものが本においていかに重要な部分なのかを痛感するばかり。図書館で借りる本の見方も変わりそう。

製本 原稿

切り込みを入れた背部分に接着剤を貼付してゆきます。爪楊枝を使い一つ一つの溝にしっかり入れ込んでから、全体に数度塗ります。

製本 原稿

貼付し終わると、このような感じになります。このまま一日ほど置き、完全に乾かします。

製本 原稿

乾いて固まったら、次の工程に移ります。厚紙を外しましたので、ここからは原稿(本文)の扱いにより慎重さが求められます。

製本 原稿

見返し部分となる用紙を、本文の大きさに合わせて切り、接着してゆきます。色は落ち着きのあるグレーにしました。

製本 原稿

見返しが付き、ちょっと本らしくなってきました。しかしながら、まだ先は長い道のりです。見返し部分の扱いにも、要注意。

製本 原稿

背の方から見ると、まだこんな感じです。なにやら哀愁も漂います。それなので、次の工程で一気に背部分を攻めます。

製本 原稿

白和紙、寒冷紗(かんれいしゃ)、しおり紐、花布(はなぎれ)、クラフト紙。それぞれを適した大きさに準備して貼り込みます。

製本 原稿

一番手、白和紙。続いて、寒冷紗。三番目はしおりと花布。最後に、クラフト紙。

製本 原稿

色々貼られた本文は、このまま一日置いて乾かします。極端な湿度の高低には注意が必要です。

製本 原稿

本文を寝かせている間に、2mm厚の芯ボールと友禅和紙などを用いてハードカバーとなる部分を作成します。

製本 原稿

本文とカバーを貼り合わせてゆきます。ここで少しでも何かを失敗すると、これまでの工程全てがおじゃんになるという、大変緊張感の伴う作業となっております。当たり前ながら、気が抜けない作業の連続です。

製本 原稿

うまく合体でき、ほっと一息。余計な所に接着剤のあとが付くしおり紐に接着剤が付く見返し用紙が曲がる・よれるうっすら爪のあとが付くカバーと本文の位置が微妙にずれるなど、悲しい出来事を乗り越えた先に完成があります。

製本 原稿

いそいそと溝入れ作業などもし。余談ですが、この道具は店主が10代の頃漫画家の卵をしていた時にスクリーントーンという演出効果を貼り込む際に使っていた物です。何十年も経てまた違う用途で活躍してくれるとは、面白くもあり感慨深くもあります。

製本 原稿

重ねてしっかり押さえた状態で乾かしてゆきます。一日以上はこのままそっとします。決して動かしてはなりません。問題なく製本できていることを信じつつ。

製本 原稿

無事に本になりました。ここまでくれば、あと一息です。

製本 原稿

しおり紐と花布も、しっかり付いています。

製本 原稿

次に、表紙に設けるタイトル装飾を作成します。

製本 原稿

枠部分の土台は、1mm厚のイラストボードを使用。

製本 原稿

ずらり。なにやら表札みたいなことに。

製本 原稿

いざ、表紙の中央に貼り込んでゆきます。

製本 原稿

ここで少しでも何かを失敗したら、すべてが台無しです。もはや無の境地で丁寧に扱います。

製本 原稿

今度はタイトル付きの状態で、重しをしながらしっかりと乾かします。

製本 原稿

一冊ずつ全てのページをめくり、不備がないかを確認します。

製本 原稿

一冊ずつ透明の袋に入れます。こうして長い時間を経て、30冊が揃いました。

製本 原稿

少し気分を変え、おまけのしおりを作ってゆきたいと思います。※常に付属する訳ではありません

製本 原稿

歌集題名の「勿忘草(わすれなぐさ)」の押し花パーツを事前に取り寄せていました。

製本 原稿

別の押し花もいろいろ用意し、初めてのラミネーターも導入して、押し花しおりに挑戦。

製本 原稿

穴をあけてサテンリボンも結び、まあまあうまくいったかなとの感触です。

製本 原稿

しおりも個装し、これで全ての制作が完了しました。

製本 原稿

手に取る皆様に好んでいただける装丁の一冊であることを、心から願いつつ。




手作り製本
歌集 手作り
手作り私家版
手作り本 和紙
手作り製本
歌集 手作り
手作り私家版
手作り本 和紙
手作り製本
歌集 手作り
手作り私家版
手作り本 和紙
手作り製本
歌集 手作り
手作り私家版
手作り本 和紙



上へ