12月30日(土)
先日、妹から届いた贈り物に含まれていた黒猫さん。
あまりに素敵すぎて、目につく場所に置いてちょこちょこ眺めては
にんまり。
中身のチョコレートももちろんとてもおいしく、ほんの数日で空に
なりました。
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12月11日(月)
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■告白/町田康著
町田康さんのお名前は、布袋寅泰さんの2003年の楽曲である
「弾丸ロック」の作詞者として目にした覚えがある程度でした。
曲自体が好きで、特にギターソロが走る間奏の部分がやけに
お気に入りなのですが、歌詞もとても特徴的で強く印象を刻む
ものでした。
最近ひょんなことから知った小説作品「告白」に興味をひかれ、
文庫版で800ページを超える大作を手に取りました。
明治時代に大阪府で起きた「河内十人斬り」を題材に、犯人の
一人である城戸熊太郎の幼少期から事件を起こす三十歳代まで
が描かれます。
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博打好き酒好き女好きの極道者として生きる、青年期以降の城戸熊太郎。
物心ついた頃より己の思考と実際に発する言葉が一致しない苦悩を抱える本人の内から、外から、時に天から、独特の
文体や表現・ユーモアにも彩られ、熊太郎という人間を徹底的に教えられます。
悪さを働く一方、驚愕するほど純粋無垢であるように思えたり、駄目男丸出しでありながら、心根が優しいふるまいを
したり、間が抜けているのに、意外に計算高い思惑を持ったり、内向的で気弱なのに、強気であろうと試みたり。
誰もが無条件で愛せる人ではないけれど、良くも悪くもどんどん身近に感じずにはいられなくなります。滑稽なまでに
じたばたもがくヒト科ヒト属クマタロウという生き物の生態を、鼓動が聞こえる側でつぶさに観察しているかの気分に
陥り、すぐそこに息づいている体温を感じられます。
かつて賭場で一度助ける形になった経緯のある苦労人の無頼漢・谷弥五郎と再会したのち、自分を兄貴と慕う彼を舎弟と
して、最後の最期まで行動を共にすることになります。
弥五郎はワルといえばそうですが、生い立ちを鑑みればほかに世を生き抜く選択肢もなく、強く頼もしい漢気ある青年に
成長していました。様々な人々との苦しく悲しく辛いかかわりの中で、弥五郎だけは熊太郎にとって宝石のように特別な
存在でした。でも弥五郎からすれば自分は石ころで、弥五郎がそれに気づいた時こそ自分から離れていくだろうとも考えて
いました。熊太郎は決して思慮の浅い人物ではなく、むしろ思弁過多であり、それゆえに辛労も絶えず、他者との関係の
構築にも常々問題を発生させ、あげく軽んじられ、身を滅ぼすに至るのです。
殺人はもっとも重い罪の行為であり、十人を無慈悲に殺害した事実はどうあっても許されません。いくら一部に完全に
自業自得な連中が含まれていたとしても。
熊太郎当人に許される気もありません。もはやすべての行き止まりに辿り着きました。
結末がどうなるかは分かり切っているので、残りページ数が少なくなると切ないような哀しいような、読み切ることで
この物語を、熊太郎の一生を終わらせたくないような、そんな気持ちがさざ波みたいに寄ってきて涙を誘発し、これは
凄い作品に巡り合ったのだなと痛感しました。
人を選ぶ内容かとは思いますが、個人的には間違いなく今年読んだ中で一番強烈な痕跡を残す一冊となりました。
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ぼんやりと、昭和13年に「津山三十人殺し」事件を起こした都井睦雄を連想した。
同じく日本刀と猟銃を凶器に、自分を冷遇したとみなした村民三十人を一晩で殺害するに及んだ、身勝手でおぞましい
凶行。陰惨さの奥に哀れみも潜む。
都井睦雄は、犯行後に自らの心臓を撃ち抜き自決した。
最後に自分自身を殺したが、もちろん三十人の中には含まれていない。
町を歩けばクリスマスツリーにあたる師走。
12月5日(火)
町のいたる所で赤い葉が鮮やかに目立つ師走。
10月の日記では8羽だったキンクロさん、いつしか大幅増員。
男女あわせて軽く20羽は池にいるようでした。
キンクロハジロ(金黒羽白)/カモ目カモ科ハジロ属
川に佇むアオサギは、心なしか寒そうに見えました。水中の生き物を捕食するために、静かにその時を待ちます。
アオサギ(蒼鷺)/ペリカン目サギ科アオサギ属
こちらはイソシギでしょうか。ピィーピィーと声を上げていました。
青空を見上げれば、ムクドリの音符。
若冲カレンダー2023。
12月は「雪中雄鶏図」。
一年の最後の月を飾るのは、若冲の真骨頂である
鶏でした。
雪の白さの中に、黒と赤の雄々しい姿が存在感を
見せつけます。
羽の様子もとても優美です。まるで鶏の舞を演じて
いるかのよう。
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伊藤若冲/雪中雄鶏図
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