2017年9月18日(月)
初めての経験となる、ハードカバー製本(上製本)の仕事を紹介させていただきます。
サイズはB6大、約120ページほどの歌集です。
歌詠みである私の母が依頼をしてくれ、45冊を作りました。(+おまけのしおり45個)
用いた友禅和紙は、様々な草花が描かれ、植物も多く登場する歌の内容にも似合う絵柄です。
表紙に直接題名を印字することはできないため、装飾として中央に立体的に付けました。
(*背表紙は付いていません)
見返しは、題名のイメージに合うよう、若草色の和風用紙を選びました。
中表紙です。
シンプルに題名と著者名を印字しています。
一箇所に絵的なアクセントを挿入する要望に基づき、私が以前撮った緑の季節のヒヨドリの写真を使わせてもらいました。
(*ヒヨドリは歌にも登場するので)
本文です。
一ページに5首の歌を掲載しています。
奥付です。
個人的に、「この手で本を作ったのだなあ」と感慨が湧くページ。
しおり紐も付けています。
正直な気持ち、はじめは自分には難しい仕事ではないかとかなり不安がありました。慣れない分実際に失敗=ボツも少なくなかったのですが、無事形になり本当に安堵しました。
機械製本のように隅から隅まですべてが完璧!・・・とは到底言えないと思いますが、もしこのような歌集や詩集、自分史や自伝・小説・エッセイなどの私家版作成をお考えで、一冊一冊手作りでよろしければ、ぜひご依頼のご相談をいただければ幸いです。
涼風工房が承る場合の利点としては、本のカバーに友禅和紙を用いることができる点、そして、注文冊数に縛りが無い点だと思います。友禅和紙は、極力色柄などのご要望に近いイメージのものをご提案できるようお探しいたしますし、何冊のご依頼でもお受けいたしますので、「オリジナルの本を作りたいけれど、何百冊何十冊もは要らないなあ」という方にもおすすめではないかと存じます。
個人的には、幼少の頃から本に親しみ、数え切れないほど手に取ってきたはずなのに、ここまで一冊の本の構造というものを真剣に考えたことはなかった気がします。新たなよき勉強、よき経験になりました。そして、本に限らず、当たり前にそこにあるのに、見ているようで見ていないもの、分かっているようで分かっていないもの、たくさんあるのだろうなあと改めて感じたりもするのでした。
秋めく。
抜け毛が気になる季節(?)です。マガモのみなさん、一様にくちばしにもこもこを付けていて、お茶目かわいい。
マガモ(真鴨)/カモ目カモ科マガモ属
*これ以前~2000年は割愛させていただきます
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