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11月29日(火)

読書の秋、ちょこちょこと。


満願/米澤穂信著

■満願 /米澤穂信著

「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」「満願」
の六篇からなる、珠玉の短編集。

* * *

はじめての作家さんでしたが、過去読んできたあらゆる
短編集の中にあっても、得られた満足感は相当なものでした。
とても濃密です。

特に強い印象を残したのが「万灯」。
手練れの中年商社マンが、天然ガス資源を得る交渉のために
バングラデシュへ。しかし、現地のマタボール(村長のような
立場の人物)
の一人である教養の高い男性から、開発に対し
全面的な拒絶を受ける。そこに初対面となる競合企業の社員も
現れ、事態は深刻化を極めてゆく。

家族も友人も持たず、故郷日本を出て時に危険と隣り合わせの
諸外国を飛び回り続け、仕事だけが矜持でありすがりつく全て
である孤独な男の、恐ろしい決断への自然な流れと実行力に
驚き、おののき、そして果てには哀れみすら誘うような余韻が
ひたすらに心を漂う見事な一篇でした。


11月5日(土)

小さい秋を求め歩んだ、近所の川沿いの道にて。


アオサギ(蒼鷺)/ペリカン目サギ科アオサギ属


コサギ(小鷺)/ペリカン目サギ科コサギ属


ダンディコレクション。 過去回


初めてかわいらしい高音の「にゃーん」を聞いて感激。




少し前に撮りためたものいろいろ。






若冲カレンダー、11月は「雪芦鴛鴦図」。



豪華ないでたちの貫禄ある雄と、水中でくるっと
回転してお茶目に顔を見せる雌。
どこか微笑ましい一場面。
雄も目がつぶらでかわいらしいのです。


以前はオシドリとの出会いにも恵まれ、よく写真を
撮りました。
子だくさんで、初夏を迎えればお母さんオシドリは
子育てに孤軍奮闘。 オシドリ写真


「オシドリ夫婦」とは言いますが、実際の彼らは毎年
お相手を変えるとか。

そういえば、昔とある公園の池で仲良くデート中のオシドリ
カップルのもとに一羽の雄が降り立って、雌を口説いて
そのまま誕生した新たなカップル二羽であっという間に
空に飛び去っていった場面を目撃したことがありました。
水上にぽつんと残された彼は、まさに呆然自失といった
風情に見え、男の哀愁を滲ませていたものです・・・

雪芦鴛鴦図
雪芦鴛鴦図/伊藤若冲


 



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