9月18日(月)
初めての経験となる、製本(ハードカバー)の仕事を紹介させていただきます。
サイズはB6大、約120ページほどの歌集です。歌詠みである私の母が依頼をしてくれ、45冊を作りました。
製本については、ほぼ何も知識が無い状態から始動したので、自分なりに試行錯誤を重ねました。
まずは、とにもかくにも適した印刷用紙を探すところからのスタートでした。手持ちのごく一般的なインク
ジェットプリンタで両面印刷できなくてはなりません。
用紙が確定した後は、手書きの原稿をパソコンに打ち込み、校正・印刷・製本・・・という流れで進みました。
用いた友禅和紙は、様々な草花が描かれ、植物も多く登場する歌の内容にも似合う絵柄です。
表紙に直接題名を印字することはできないため、装飾として中央に立体的に付けました。(*背表紙は付いていません)
見返しは、題名のイメージに合うよう、若草色の和風用紙を選びました。
中表紙です。
一箇所に絵的なアクセントを挿入する要望に基づき、私が以前撮った緑の季節のヒヨドリの写真を使わせてもらいました。
(*ヒヨドリは歌にも登場するので)
本文です。一ページに5首の歌を掲載しています。
奥付です。
しおり紐も付けました。
正直な気持ち、はじめは自分には難しい仕事ではないかとかなり不安がありました。実際に慣れない分失敗も少なく
なかったのですが、無事形になり本当に安堵しました。
隅から隅まですべてが完璧!・・・とは到底言えないと思いますが、もしこのような歌集や詩集、自伝・小説などの
自費出版をお考えで、一冊一冊手作りでよろしければ、ぜひご依頼のご相談をいただければ幸いです。
涼風工房が承る場合の利点としては、本のカバーに友禅和紙を用いることができる点、そして、注文冊数に縛りが無い点
だと思います。
友禅和紙は、極力色柄などのご要望に近いイメージのものをご提案できるようお探しいたしますし、何冊のご依頼でも
お受けいたしますので、「オリジナルの本を作りたいけれど、何百冊何十冊もは要らないなあ」という方にもおすすめでは
ないかと存じます。
個人的には、幼少の頃から本に親しみ、数え切れないほど手に取ってきたはずなのに、ここまで一冊の本の構造という
ものを真剣に考えたことはなかった気がします。新たなよき勉強、よき経験になりました。
そして、本に限らず、当たり前にそこにあるのに、見ているようで見ていないもの、分かっているようで分かっていない
もの、たくさんあるのだろうなあと改めて感じたりもするのでした。
* * *
秋めく。
抜け毛が気になる季節(?)です。マガモのみなさん、一様にくちばしにもこもこを付けていて、お茶目かわいい。
マガモ(真鴨)/カモ目カモ科
マガモ(真鴨)/カモ目カモ科
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