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2月12日(日)


雪まつりに行って参りました。
大通りの会場は、我が最寄駅からは地下鉄でわずか10分ほどの距離。しかしそこには別世界が広がっておりました。
途中地下鉄の駅に逃げ込みながら、寒さに凍りつきつつ色々激写。雪と氷の世界、その雰囲気が少しでもお伝え
できれば嬉しく思います。

  2月10日、天候は雪。

  気温は−7℃。

  凍てつく空気の中、人出は多く

  大盛況の会場でした。

  外国からの観光客も目立ち、

  カメラを託され写真を頼まれ

  たりもして、私までなんだか

  旅気分。


さっぽろ雪まつり


  氷像も多く見られ、透明感ある

  美しさが際立っていました。


さっぽろ雪まつり 氷像



さっぽろ雪まつり 氷像

  ひときわ目を引いたお内裏様とお雛様。

  氷の冷たさは緩和させ優美さだけを

  生かすような、あたたかさを感じさせる

  作品でした。





  お隣の、こちらの鷲も

  凛々しく格好よかった。


さっぽろ雪まつり 氷像


  氷の世界も総じて見事で

  とても魅惑的でした。

  そして雪像よりも遥かに

  冷たそうに感じる不思議。


さっぽろ雪まつり 氷像


  15時前後と、やや中途半端な時間帯

  の来場になってしまったのが少々残念

  でした。ここからライトアップされる

  時刻までは体が到底持たず・・・

  強力手袋+ホッカイロでも、手指が

  もげんばかりに痛かったです。

  真剣に凍傷の危機を感じました・・・





  さっぽろテレビ塔をモチーフに

  したキャラクター、その名は

  「テレビ父さん」。

  カメラを向けたらポーズをきめて

  くれ、撮影が終わったら丁寧に

  お辞儀をしてくれました。

  可愛らしい礼儀正しさに嬉しく

  なってしまいました。


テレビ父さん 画像



さっぽろ雪まつり 雪像



さっぽろ雪まつり 雪像


  建造物の雪像は、

  そのスケールと緻密さで

  存在感が圧巻のもの

  ばかりでした。

  尋常ではない冷えにめげ

  そうになっても離脱せずに

  会場を回れたのは、こうした

  素晴らしい芸術が活を入れ

  てくれたからこそ。





さっぽろ雪まつり 雪像

 みんなに見守られ、花が一輪、咲きました。

 独特の世界観が漂う奥行きのある空間で、

 まるで絵本の一場面のよう。

 とても印象に残る素敵な場所でした。




さっぽろ雪まつり 雪像 動物


 誰もが知っているキャラクター

 の雪像もたくさん。


さっぽろ雪まつり アンパンマン


 NHKの人気者、どーもくん。


さっぽろ雪まつり 雪像 どーもくん


 ツイッターでお騒がせのまんべくん。





 そして夕張の(ダーク)ヒーロー、

 メロン熊も発見!


さっぽろ雪まつり メロン熊


 負けじとジョーズも吠える!





 精巧な龍。麗しい。





 眺めているだけでほっこり系。


さっぽろ雪まつり 雪像


 このような感じでたくさんの

 雪像が並んでいます。

 ここは西12丁目会場で、

 西1丁目からはじまる全体

 のもうひとつの端にあたり

 ます。

 ここまで来ると、人気も多く

 なく、むしろちょっと閑散と

 している感じでした。





 西12丁目のつきあたりに

 ある資料館。

 これで西1丁目から歩き

 つくしました。







この10年ほど、映画館に足を運ぶ機会はほとんどなくなってしまいました。映画は人並みに好きなはずですが、そこまで
して観たい作品が見当たらなくなって久しい気がいたします。

それでも今は便利な世の中です。映画館へ出向かなくとも、テレビを所持していなくとも、パソコンさえあればDVDという
強い味方が映画の世界へ誘ってくれます。

そんな中、近年で好きな映画として挙げたい『葉問』について触れさせていただきたいと思います。

『葉問 序章』
2008年香港映画
監督:ウィルソン・イップ
出演:ドニー・イェン
ルイス・ファン
サイモン・ヤム



『葉問』
2010年香港映画
監督:ウィルソン・イップ
出演:ドニー・イェン
サモ・ハン
ホァン・シャオミン
ルイス・ファン
サイモン・ヤム


詠春拳の達人である実在の武術家・葉問(イップ・マン)の活躍を描いた作品です。
実在した人物が主人公の映画と聞くと、個人的には観賞を避けがちなきらいがあります。それならいっそドキュメンタリーの
方がリアルでいいかな、となんとなく思ってしまうからです。

この『葉問』は、史実に忠実と言うよりは、「葉問」というキャラクターと「詠春拳」という拳法、この2つの要素を用いること
自体が最も重視されているような印象を受けましたので、純粋に正統派
功夫映画として楽しめました。

なお、通常ですと『葉問1』『葉問2』と分けられる題名なのですが、日本では『葉問 序章』と『葉問』として公開されています。
以下雑感は、2作をまとめてつらつらと書かせていただきます。

1作目は広東の仏山が舞台で、詠春拳の使い手として周囲から敬われ家族と優雅に生活する葉問ですが、物語中盤からは
日中戦争が勃発し、富裕な暮らしから一転、日本軍の支配下で貧しさの中を生き抜いてゆく展開となります。
しかし、どのような状況にあっても、葉問の人としての品格は損なわれません。日本軍が食料の米を賭けて催す空手道場
での試合で友人二人が命を落とし、最終局面では観衆の下で葉問が誇りを携え日本軍の大将と勝負します。

日中戦争が絡むため、あるいは抗日と称される映画なのかも知れません。
ただし、日本軍の若き大将は筋が通った男気ある人物として描かれ、その配下に目立っておかしなのが一人いるくらい。
葉問をはじめ中国人たちはもちろん日本人に深い憎しみを抱いていますが、いわゆる反日目的で作られた映画でないことは、
昔から香港映画に馴染みのある者としては強く感じるところです。


2作目は、終戦後香港に移り、武館を開き門下生を育てる葉問と、洪拳を中心に据えた各門派との軋轢や交流が描かれ、
終盤では中国武術を激しく見下している英国人ボクシング王者とリング上で雌雄を決する運びとなります。

弟子との関わりや異なる門派との物語が主流で、少し気を楽に入り込んでいける気がします。
が、舞台は英国統治下当時の香港であり、最後に対決するのは中国武術を侮辱した上の戦いで洪拳の師を死に追いやった
英国人ボクサーで、やはり国や民族、人種といった観点は関係しており、この辺りの構図は1,2作目とも共通しています。

当初は反目しながらも、葉問の実力や人柄を認め徐々に理解し合う方向へ向かう洪拳の師父役には、洪金寶(サモ・ハン)
が登場します。
若かりし頃はその軽快な身のこなしからは考えられない太めの体形でコミカルな役どころが多かった武術家俳優ですが、
50代の彼は貫禄に溢れ、絶対的な師として渋い存在感を放っています。

そして、なんと言ってもこの映画は葉問に扮した主演である甄子丹(ドニー・イェン)の魅力が爆発。彼は日本でどのくらいの
知名度があるかはちょっとよく分からないのですが、李連杰(ジェット・リー)など名だたる武術の達人俳優が多く存在する
香港映画界にあって、私見では一番凄い人物だと思っています。実際、武術指導や動作設計・演出にも長けている人です。

詠春拳は、どちらかと言うと地味で実戦向きとされています。この余分な動きを一切含まない拳法を完璧に我がものにして
戦うドニー・イェンの姿の美しさは、幾度繰り返し見ても飽くことがありません。隙がなく、気品すら漂う優麗な身のこなし、
それでいて誰より力強く的確な打撃、本当に瞬きすら惜しい素晴らしい殺陣の連続です。最も凄みを感じたのは、1作目で
空手黒帯10人を相手に試合をする場面でした。圧巻の数分間です。

ほかにも、刃物で迫るワイルドな風貌の猛者に対しては、室内にあったはたきで翻弄、まるでお尻を叩いてお仕置きをして
いるかのよう。
時には弟子を守るべく、武器を手にした何十人もを相手にすのこで応戦など、武闘場面は創意工夫に富んでいて大いに
見応えがあります。

過去、ドニー・イェンは比較的血の気の多いような役どころが目立つ印象も持っていましたが、彼の演じる葉問は非常に温厚な
人格者です。物静かで謙虚、一戦交えたがる兵が手を出してきても、ほとんどの相手と戦う時は息も乱さない余裕の振る舞いで
あしらいます。
凛々しく涼しげながらどことなく飄々とした佇まいと、圧倒的な強さに裏打ちされた自尊から醸し出される奥深い包容力。
しかし、強敵に相対せざるを得ない戦いに集中する時に放つ厳しいオーラはまるで静かなる獅子のよう。その風格と威厳に、
雰囲気だけで吹き飛ばされそうです。思わずこの葉問に弟子入りしたくなります。

私の中では、完全に葉問=ドニー・イェンです。
やはり登場人物の配役にほかの俳優ではあり得ないと感じさせてくれるのが本物の映画だよなと改めて思いました。
(『ミザリー』のキャシー・ベイツなどしかり)

脇を固める人物も皆適役ばかりで、両作共に出演している葉問の親友役である
任達華(サイモン・ヤム)と、道場破りの樊少皇
(ルイス・ファン)は特に味わい深かったです。

『ゴッドファーザー』『スタンド・バイ・ミー』などを筆頭に、名作には引き離して考えることのできない秀逸な名曲がつきものです。
この『葉問』もまた、音楽が最高に素晴らしく、己の中にくすぶる何かを静かに滾らせてくれるような感覚を味あわせて
くれます。うっかり葉問のように強くなった錯覚も覚えてしまいます。すっかり普段のBGMに定着、勝手にひそやかにめらめらと
燃えています。

なお、音楽は日本の川井憲次氏が担当されています。


      



 



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