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2月11日(土)

実家の母から最近譲り受けた、古い切手帳。
おしゃれな冊子自体は、60年以上も前に友人から贈られたものだ
そうです。

集められた切手は、1960年代の5円切手をはじめ多岐にわたり、
オリンピック開催年や自分が生まれた年の10円切手なども収め
られていました。

眺めているだけで、なんとも言えない懐かしさに支配されます。
時の流れをこうして切手によって強く実感する私は、つくづく
昭和生まれのアナログ人間なのだと、面白い気持ちにも浸りました。

切手帳

切手帳 画像

切手 コレクション

切手 古い

古切手 画像

東京オリンピック 切手

切手 蒐集


幼少の頃、「子供の髪は短ければ短いほど良い」との理念に基づいてか(?)、抵抗むなしくちょくちょく家庭内カットが
実施されていました。
穴を開けた新聞紙を首からかぶり、母の操るハサミでワカメちゃんも顔負けの斬新ヘアーにされたものです・・・
眉より遥か上で斜めに切りそろえられた前髪。必ず「明日、幼稚園/学校に行きたくない」と鏡の前で真剣に青くなっていた
ことも、今ではもちろん笑い話です。

散髪のご褒美にもらえるのが、母が蒐集した切手でした。
普段触る機会がない母の箪笥の引き出しから出される切手帳をめくる時間は、なぜか自分にとっては少し厳かでとても
特別に感じられ、その時だけは現実(髪型)を忘れて夢中で目移りしながら選んでいたのを覚えています。




この数か月の間に読んだ本ちらほら。


ララピポ/奥田英朗著

■ララピポ /奥田英朗著


以前に日記で紹介したことのある 「最悪」 「無理」 「邪魔」
などの犯罪小説を書いた奥田英朗氏の著作です。

上記の作品群とは少し毛色が異なる感じもありますが、今回は
性によって翻弄され運命を狂わす人々の人生の一部を垣間見る
ことができます。
愚かしくも哀しい、渋谷界隈に息づく様々な男女。美しい官能
ではなく、そこにあるのは常に超現実的であさましく生々しい
人間のサガです。

終盤で聞きなれない題名である「ララピポ」の言葉の意味が
明かされた時には、思わず膝を打ちたくなりました。




悲しみのイレーヌ・その女アレックス・傷だらけのカミーユ
/ピエール・ルメートル著(橘明美訳)


■悲しみのイレーヌ
■その女アレックス
■傷だらけのカミーユ   /ピエール・ルメートル著(橘明美訳)

これまで縁のなかったフランスの作家さんによる犯罪小説で、パリ
警視庁のカミーユ・べルーヴェン警部が登場する三部作となって
います。
ベルーヴェン警部は145cmと小柄な身体的特徴を持ち、それは
愛煙家であった著名な画家の亡き母による影響だと思っている人物
です。気難しくて愛想よくもないのに、なぜだかどんどん愛着が増す
不思議な魅力をたたえる有能な仕事人なのです。
物語は総じて読み応えが抜群で、上質なミステリにほかなりません。
言語としてのニュアンスを重要視するあまり元来翻訳ものを敬遠
しがちな自分は、日本語訳の文章の素晴らしさにも終始感嘆する
ばかりでした。





若冲カレンダー2023。



2月は、「松梅孤鶴図」。
読みは「しょうばいこかくず」。
なにやら音だけで聞いたら頭に「?」が点りそうです。

単身細い足でまっすぐに立つ鶴は、孤独なのか孤高
なのか。
冬らしいふっくらボディと丸いお目目は、どこかコミカル
でかわいらしくもあります。

厳寒に向き合いながら、少し先に待つ春を見つめている
のでしょうか。

雪中雄鶏図
松梅孤鶴図/伊藤若冲


 



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