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モクレン花ざかり。
上を向いて咲く花、地上からだと正面からはなかなかお顔が見えません。

二週間に一度の図書館通い継続中。最近読んだ本です。

無理/奥田英朗著
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■無理 /奥田英朗著
「最悪」「邪魔」に続く、題名二文字の群像劇です。
3つの町が合併して誕生した地方都市、ゆめの市。
いつにも増して寒さ厳しく日照時間もない凍てつく冬、
5人の男女が閉塞感に満ちた日々の中でもがきます。
妻に浮気され離婚した生活保護ケースワーカーの男、
暴走族あがりの詐欺セールスの男、新興宗教に浸かる
スーパーマーケット保安員の女、公私共に問題山積の
市議会議員の男、東京暮らしを夢見る女子高生。
それぞれが普段の生活を通じて極限に近い心理に
追いやられる様が説得力を伴い丁寧に描かれます。
生きるのはなぜこうも大変なのか。彼らが行く道筋は、
誰もが辿る可能性を持っていると思わされます。
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3月4日(金)
横浜市営地下鉄、駅シリーズ。「横浜駅」構内。
「岸根公園駅」構内。
「センター北駅」付近。
「センター南駅」付近。

近所の公園にて、今年のカワヅザクラに間に合った。鳥たちはいません。激しい夕立の直前でした。
昼間の青空のもとならもっとよかったのでしょうけれど、ちょっぴり不穏な雲行きと色合いとの風景も悪くないなと
個人的には思ったのでした。

二週間に一度の図書館通い継続中。最近読んだ本は以下のような感じです。

邪魔/奥田英朗著
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・邪魔 /奥田英朗著
・我が家のヒミツ /奥田英朗著
・我が家の問題 /奥田英朗著
・家日和 /奥田英朗著
・町長選挙 /奥田英朗著
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見事に同じ著者の小説が並びました。ほかの作品も次々読んでみたいと思う作家に久しぶりに出会った感触があり、
嬉しい限りです。
2022年1月の日記
で紹介した伊良部医師シリーズの「町長選挙」も楽しかったですし、短編集「家シリーズ」も色々な
家族の様々な問題に触れることができて興味をそそられました。多少の癖や問題はあっても、いずれも嫌味がない
登場人物ばかりで、日常のささやかな「事件」を通じて導かれる人間模様に、気持ちが柔らかくほぐれ胸がじんわりと
あたたまります。読後は少なからず心が広くなる感覚を味わえること必至です(※期間限定)。
書き手はさぞユーモアと包容力に溢れる人物だろうな、とも想像してしまいます。
そして、「邪魔」はかなり好みの物語でした。2022年1月の日記
で紹介した「最悪」の系譜と言える群像劇です。
7年前に妻を交通事故で亡くした不眠症の刑事、夫と子供2人と一軒家に暮らす平凡な主婦、警察とも極道とも喜ばしくない
かかわりを持ってしまった不良高校生らが、ある放火事件をきっかけに運命をじわじわと狂わせてゆく様が描かれます。
特に、スーパーマーケットで日々レジ打ちのパートをする主婦の及川恭子が、夫に自社に火を放った嫌疑がかかることにより
徐々に変貌してゆく姿は、当たり前の日常、当たり前の望み、当たり前の幸福などというものがいかに脆く無力なのかを
これでもかと教えてくれます。
「今まで穏やかでいられたのは、追い詰められたことがなかったから」。犯罪を犯したことで知らない自分が現れるのでは
なく、そこに行きつくまでの過程で人は何かが剥がれるように変容してゆくのかも知れません。
桐野夏生さんの小説で一番好きな「OUT」も少し頭を掠めました。

若冲カレンダー、3月は「虎図」。
待っていました!寅年の主役は弥生にあり。
昔、かれこれもう20年くらい前でしょうか。
都内で開催された若冲展に足を運んだ時に
購入したファイルとマグネットがあり、今も
大切に使っています。
ちなみに、そこには「猛虎図」と記されている
のですが、カレンダーでは「虎図」となって
います。
どこかの時点で名称が変わったのかな?

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